東海地方の積雪や交通の状況を、公式の情報をもとにまとめています。雪が心配な朝の、出かける前の確認にお使いください。

東海の冬は、雪国でも都会でもない、少し不思議な立ち位置だと思います。めったに積もらないのに、雪の影響はしっかり受ける。そんな地域の情報をまとめました。
今の積雪はどれくらい?
東海地方の積雪の深さは、気象庁が観測地点ごとに公開しています。雪の降った日は、まずここで数字を確かめてください。
平年の値も知っておくと判断しやすくなります。気象庁によると、名古屋の初雪は12月18日、最後に雪が降るのは3月12日です(1991年から2020年の30年平均)。雪の季節は3か月足らずです。
霜のほうは11月30日から3月21日まで。雪より早く始まり、遅くまで続きます。路面の凍結を考えるなら、こちらの期間が目安になります。

初雪が12月18日と聞いて、思っていたより遅いんだなと感じました。でも霜は11月末から。雪より先に、朝の冷え込みのほうが来るんですね。
名古屋は何センチで大雪警報が出る?
名古屋市の基準は、12時間に降る雪の深さで決まっています。
| 種類 | 名古屋市の基準 |
|---|---|
| 大雪注意報 | 12時間降雪の深さ 5センチ |
| 大雪警報 | 12時間降雪の深さ 10センチ |
雪の多い地域では30センチ前後で警報が出ます。名古屋はその3分の1です。雪に慣れていない街ほど、少ない雪で警報が出る仕組みになっています。
なお同じ東海地方でも、岐阜県の飛騨地方や三重県の山あいは基準がまったく違います。県の名前でひとくくりにはできません。お住まいの市町村の基準は、下の一覧から確かめられます。

10センチで警報。雪国の3分の1です。少ないように思えますが、慣れていない街では10センチでも十分に大ごとになります。警報の基準は、その土地でどれだけ困るかで決まっているのだと、あらためて思いました。
日本海側の雪で、東海道新幹線が遅れる理由
ここが、東海地方でいちばん知っておく値打ちのあることです。
名古屋に雪が積もっていなくても、東海道新幹線が遅れる日があります。原因は、岐阜県の関ケ原です。
地図を見ると分かります。関ケ原のあたりは、日本海側の若狭湾と太平洋側の伊勢湾の距離がとても短く、地形がくびれています。北には伊吹山地、南には養老山地と鈴鹿山脈がありますが、その間だけ山が途切れています。
そこへ、ちょうど通り抜けるような向きの風が吹くと、日本海側の雪雲がそのまま関ケ原へ流れ込みます。
そして新幹線が遅れるのは、雪で線路が埋まるからではありません。積もった雪の上を高速で走ると、走行風で雪が舞い上がり、車両の下に付いてしまうためです。それを防ぐために速度を落とします。
JR東海は、岐阜羽島から京都までの関ケ原・米原の区間で対策をとっています。スプリンクラーで水をまき、雪を湿らせて舞い上がりにくくする方法です。それでも大雪の日は徐行になります。
つまり、東京の人も大阪の人も、岐阜県の一地点の雪で足止めされることになります。冬に新幹線を使う予定があるなら、名古屋や東京の天気ではなく、関ケ原あたりの雪を見るのが正解です。

名古屋は晴れているのに、新幹線だけが遅れている。私も過去に、窓の外の青空を見ながら駅で足止めされたことがあります。あのときは理由が分からないままでした。原因が岐阜県の山の切れ目にあると知って、ようやく腑に落ちました。地図を見ると、たしかにそこだけ日本海とつながっているんですね。
道路はどうなる? 名古屋の雪への備え方
名古屋は長く雪が積もる土地ではありません。30日を超える長期の積雪は観測されたことがないとされています。そのぶん、備えの仕方も雪国とは違います。
高速道路では、雪が予想されると前もって凍結防止剤をまきます。降りはじめたら、防止剤をまきながら荷台を空にしたダンプを走らせ、タイヤの重みで雪を溶かして積もるのを抑えます。坂のきつい区間には、路面にヒーターが埋めてあるところもあります。
一方で、住宅街の細い道は後回しになります。生活道路や歩道は、地域で協力して雪かきや凍結防止剤をまくことが求められています。坂道、交差点、歩道、日陰は、とくに凍りやすい場所です。

空のダンプを走らせて、タイヤの重みで雪を溶かす。この方法は初めて知りました。除雪車をたくさん持たない地域なりの工夫なんですね。
雪の日に気をつけたいこと
- 靴。名古屋の雪はすぐ溶けて、夜に凍ります。降った日より翌朝のほうが滑ります
- 車。冬用タイヤを持っていない方が多い地域です。無理に出さない判断が、いちばん確かな備えになります
- 坂道と橋の上。周りが乾いていても凍っていることがあります
- 新幹線。関ケ原の雪で遅れることがあります。名古屋が晴れていても油断できません

降った日より翌朝のほうが危ない、というのは毎年忘れてしまいます。夜のうちに凍るんですよね。朝いちばんに出かける方は、とくに気をつけてください。
よくある質問
名古屋の雪は、いつからいつまで降りますか?
気象庁の平年値では、名古屋の初雪は12月18日、最後に雪が降るのは3月12日です(1991年から2020年の30年平均)。雪の季節は3か月足らずです。
ただし霜は11月30日から3月21日まで続きます。路面の凍結を考えるなら、こちらの期間のほうが目安になります。
名古屋では何センチ積もると大雪警報が出ますか?
名古屋市では、12時間の降雪が5センチで大雪注意報、10センチで大雪警報が出ます。雪の多い地域の30センチ前後と比べると、3分の1ほどの雪で警報が出る水準です。
名古屋に雪がないのに、なぜ新幹線が遅れるのですか?
岐阜県の関ケ原で雪が降っているためです。関ケ原は日本海側と太平洋側の距離が短く、山が途切れている場所なので、日本海側の雪雲がそのまま流れ込みます。
遅れるのは線路が埋まるからではありません。積もった雪の上を高速で走ると走行風で雪が舞い上がり、車両に付いてしまうため、速度を落とします。JR東海はスプリンクラーで雪を湿らせる対策をとっていますが、大雪の日は徐行になります。
自宅の前の道路は除雪してもらえますか?
期待しないほうが安全です。名古屋は長く雪が積もる土地ではないため、除雪の体制は雪国ほど整っていません。幹線道路や高速道路が優先され、住宅街の細い道は後回しになります。
生活道路や歩道は、地域で協力して雪かきや凍結防止剤をまくことが求められています。
東海地方でも、地域によって雪の量は違いますか?
大きく違います。同じ岐阜県でも、南の美濃地方と北の飛騨地方ではまるで別の冬です。三重県も、北部と山あいでは違います。大雪警報の基準も市町村ごとに設定されています。
県の名前でひとくくりにせず、お住まいの市町村や行き先の基準を確かめてください。

同じ岐阜県でも、美濃と飛騨ではまるで別の冬。県の名前でひとくくりにできないというのは、外から見ると分かりにくいところだと思います。
ほかの地域の雪の情報も、同じようにまとめています。
まとめ
東海地方の雪は、量は少なくても影響が出やすい地域です。名古屋は12時間に10センチで大雪警報が出ます。雪の多い地域の3分の1ほどの水準です。
そして、名古屋に雪がなくても関ケ原の雪で新幹線が遅れます。冬に移動する予定があるなら、手元の空ではなく関ケ原の雪を見てください。
雪の状況や運行情報は変わりやすいものです。実際に出かけるときは、必ず各公式サイトで最新の情報をご確認ください。

東海の雪は、備えていないと困るけれど、備えすぎるほどでもない。そのさじ加減がむずかしい地域だと思います。この記事が、その判断の助けになればうれしいです。


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